Star Warsの妙
スターウォーズという映画の一番のポイントは、スカイウォーカーファミリーです。
話は当然EP4から始まります。
EP4ですら回想設定の物語です。
EP1〜3は、レジェンダリな昔話です。
CWをアニメ作品にしてまで描く必要があったのは、CWの言及がEP4でなされてるからです。
クローン戦争は、ABY初期の若者も知ってるレベルの出来事です。
ルークは、自分の父がクローン戦争に参加していたとベンから聞かされた時に大変驚愕していました。
そして、ジェダイに関する伝説も既知のものであった事は、大粛清で大部分が滅びたジェダイが希望であり続けていた証拠でもあります。
ルークは、ベンがジェダイである事を知ると同時に、自分の父がジェダイであった事を知り、動揺した事でしょう。
CWの時代に於て、アナキンはかなり高名なジェダイでした。
しかし、オーダー66後の混乱とシディアス卿による情報操作によって、ジェダイは絶滅に近い状況に追いやられます。
アナキンに関してもやはり死んだものと思われたに違いありません。
真実を知る数少ない者により、アナキン=ヴェイダーという事実は隠され、同時にルークとレイアは秘密裏に育てられます。
オビ=ワンは肉体的死の際に、その時点で真実を知る者として、あの場面に対して冷静にリビングフォースとなる準備を整えた訳ですが、周りからしたらもう意味不明でしょう。
ヴェイダーはこの時点で様々なシスの知識をホロクロンなどから得ていた可能性が高いので、過去の偉大なシスのリビングフォースについて知っていたものと思われます。
自分の師であったオビ=ワンがリビングフォースとなる技を身に付けていたという事実は、つまり、オビ=ワンが死んだとみなせない、という事になります。
オビ=ワンは死んでいない、で、オビ=ワンはどうする?
数多くのジェダイを滅ぼしたヴェイダーとしても、まだ死の確証が無いマスター・ヨーダとオビ=ワンの関わりは絶ちたいはず、でも、オビ=ワンがリビングフォースとなった以上、リビングフォースとアクセスできるジェダイとの関係を絶つのはほぼ不可能。
そして、ファルコンがデス・スターに捕縛された時に感じた強いフォースの正体が新たなジェダイであったとしたら、それがオビ=ワンの新たなパダワンであるなら、そのパダワンとオビ=ワンの関係を絶つのも不可能。
この異常なモヤモヤが、ヴェイダーの中のアナキンを強く揺さぶり始める訳です。
オビ=ワンはルークとレイアがアナキンの子供である事を知りながら、ヴェイダーのフォースを感じるデス・スターに導かれます。
恐らくオビ=ワンはこの時点でデス・スターでヴェイダーと対決してリビングフォースとなることを予測していたものと思われます。
そして、レイアの救出をルーク達に無言で託し、自身は牽引ビームを切り、ヴェイダーとの対決で物理的な障壁を取り除いてルークを訓練出来るリビングフォースとなる、しかもその瞬間に家族が偶然にも再会している場面、そりゃあ笑いますよね。
リビングフォースとなったオビ=ワンは、直後からルークに『走れ』と語りかけて威力を発揮します。
ルークはソロと共にヤヴィン4に向かい、反乱軍と合流しますが、帝国軍の仕掛けた発信器により居場所を突き止められますが、その結果として反乱軍は大移動をせずにデス・スターを破壊するチャンスに恵まれ、ルークはオビ=ワンのリビングフォースの助言によってフォースによる攻撃でデス・スターに壊滅的打撃を与えます。
ヴェイダーはオビ=ワンとルークの強いフォースを感じながら、ソロの奇襲によって弾き飛ばされ、その場から逃亡します。
帝国軍はターキン提督と大勢の軍力を奪われます。
ルークの高名は瞬く間に広まり、提督軍はその名を知り、オビ=ワンのパダワンがルーク・スカイウォーカーである事を知ります。
タトゥイーンで捕らえ損ねたファルコンと乗組員とドロイドのことが、ヴェイダーとシディアスの頭を過ったことでしょう。
レイアを捕らえた際に取り逃がしたドロイドの正体は突き止めていたはず、故にヴェイダーはしくじった感を強く感じたに違いありません。
オビ=ワンがタトゥイーンに居た、そしてR2や3POとアクセスし、タトゥイーンから逃亡していた、尚且つR2と3POの購入者は義理の親戚のオーウェン・ラーズ。
いかにヴェイダーがあぐらかいてたか分かります。
でも私は、新たな推測を始めました。
もし、この時点でヴェイダーが全て予感していたとしたら?
タトゥイーンにフォースの存在を感じながら黙認していたとしたら?
そもそもヴェイダーはパドメを失った以上、シディアスに仕える動機を失っていたはず。
シディアスのアプレンティスとして振る舞いながら、シディアスを倒す機会を窺っていたはず。
だとしたら、オビ=ワンのパダワンで強いフォースを持つ者の存在は確かに有用です。
そもそもアナキンはダークサイダーとなる動機が非常に浅い。
しかしジェダイは既に信用出来なかった、でもフォースとの関係を断ってパドメの死を受け入れられるほど人間が出来てなかった、あくまでもフォースの力でパドメを救う考えしか無かった。
しかし、ダークサイドでしかパドメを救えないと言ったシディアスを信用した挙げ句、ダークサイドに堕ちて得た力でパドメを死に至らしめた訳です。
シディアスを信用したのに、真逆の結果を招き、散々ジェダイを殺害した以上、ライトサイドには簡単には戻れないと思ったのと、ダークサイドの力の虜にもなり、ガチンコで出られなくなってた所に、メッチャ超ライトサイドの、しかも自分の息子が強いフォースを持ってると知ったとき、アナキンが戻って来たんでしょう。
ベスピンで試しにルークをダークサイドに誘ったけど全力で拒否られた。
表向きはメッチャ悪ぶってダークサイダーを気取りながら、内面でルークのライトサイド度合いを見極めていたのでしょう。
デス・スター?でルークと対決した時も、ルークを焚き付けて最終的にシディアスの死角からシディアスに奇襲を掛けてフォースにバランスをもたらす選ばれし者に戻った訳です。
ルークがマスター・ウィンドゥより強いジェダイであった事は、シディアスのフォース・ライトニングを山程浴びたにも関わらず致命傷に至ってないことで分かります。
なんせ、『父さん、助けて〜』って言える余裕があるんですものw
アナキンとなったヴェイダーがリビングフォースとなれた理由は、アナキン自体がプレイガス卿によりミディ・クロリアンで創造された生命体故に、自然とリビングフォースとなれた、という解釈も出来ます。
だとしたら、やはり私はベスピンでのルークとの対決以前にヴェイダーはアナキンとしてオビ=ワンとアクセスしていた可能性があると思います。
ヴェイダーの挙動や判断が変化するタイミングがちょうどベスピンの少し前で、そっからは割と反乱軍に甘いです。
というか、ルークにはかなり甘いです。
あくまでもフォース・センシティブとしての甘さですがw
腕ちょん切るのはちっとも甘くは無いものねw
さて、ここまで深読みしても、スピンオフ小説を読めばだいたい否定されます。
私は、スピンオフ小説は好きですが、あくまでも太古の物語の部分のスピンオフの支持者です。
映画の6作品とCWに関わる部分は、あくまで公式作品から前後を模索するのが筋と考えています。
公式の正史は映画の描写が最優先です。
故に、スター・ウォーズは映画なんです。
EP4を基点にして、役者の演技を深読みしてここまで推測を楽しめる映画もまぁ、あんまり無いと思います。
私のスター・ウォーズへの接し方は、そういうものです。
EP7の公開以降の新たな正史を踏まえて、より一層EP4への接し方も深みを増せば楽しいなって、今はそう考えています。
何より楽しみなのは、旧3作品のキャストの立ち位置です。
レジェンドですからね。
さ、寝よう。