概念の御籠

素直な私を埋葬していた期間18年
蘇生の儀式を受けてから再度埋葬されるまで2ヶ月
死の恐怖と隣席しながらの衣食住4年
光を見い出してから今まで4年

光が概念の中で漂っている間は、私を傷付けることはないが、一度現実の中に飛込むと、鋭い棘と化して私の脳や精神を突き刺す。
その攻撃は、私の身を覆う錆、血の味を知った木馬、鉄の目、激しく燃える牙、それらを洗い流す神聖な雫である。
穴だらけで決して満たされない、悲惨なほど無力な器が、棘の刺さる感触に救われ、癒される。

その事実に背中を向けて歩くことは、私には出来っこない。



とりあえず、4月、そこに向かって走るのみだ。