ギターの電気の話


久々にギターの回路図のためのスイッチの回路図を書きました。


ちなみに、ハムバッキングピックアップ(以降HB)1個で可能なインフェーズ回路は16通りあります。

  1. フロント側シングル正位相
  2. フロント側シングル逆位相
  3. リア側シングル正位相
  4. リア側シングル逆位相
  5. パラレル両正位相
  6. パラレル・リア逆位相
  7. パラレル・フロント逆位相
  8. パラレル両逆位相
  9. フロントマスターシリーズ両正位相
  10. フロントマスターシリーズ・リア逆位相
  11. フロントマスターシリーズ・フロント逆位相
  12. フロントマスターシリーズ両逆位相
  13. リアマスターシリーズ両正位相
  14. リアマスターシリーズ・リア逆位相
  15. リアマスターシリーズ・フロント逆位相
  16. リアマスターシリーズ両逆位相


これらを全て、完全に再現するために最も最速なのはPIC等を利用してエンコーダスイッチで切り替える方法ですが、ピックアップ切り替に電源投入するというのは、ちょっとナンセンス過ぎます。


そこで考えたのが、ロータリースイッチ2個によるモード切替とポジション切り替えの手法です。


スペース的には30mm四方くらいのロータリースイッチ2個を消費するのでスマートとは言えないですが、ポジションについて最も理解しやすく、切り替えの手順も覚えやすいスタイルがこれかと思います。


もちろん、4回路16接点という奇抜なパターンも考えましたが、色々と難問が多いですので、今のところはとりあえず以下のプランを考えました。


  • 4回路4接点の自作ロータリースイッチでモードを以下の4種に分けて切り替える。
  1. シングルモード
  2. パラレルモード
  3. フロントコモンシリーズモード
  4. リアコモンシリーズモード
  • 14回路4接点の自作ロータリースイッチでそれぞれの細かい組み合わせを切り替える。

具体的には、最初に挙げた16通りの組み合わせを上から4段ずつ区切ったその状態となります。




仕組みは、モード切替の4回路にはそれぞれのコイルのホットとコールドを接続します。


モードを切り替えると、それぞれのモードに従って結線されたロータリースイッチの指定の端子に各端子が接続され、回路が決定されるというものです。


つまり、HBで完成したこのモード出力自体をシングルコイルのホットとコールドと解釈して更にこのスイッチ回路を導入すると、比較的シンプルな操作で256通りの組み合わせを実現出来ます。




アウトフェーズについては、内部で両逆位相の回路が選択出来るので、配置しなくてもアウトフェーズをカバーできます。





この回路の目的は、ギターの持つ可能性の拡張で、結果的に使う回路が人それぞれで固定されたとしたらそれはそれで良いが、可能性としてプールしておいても良いのじゃないかな、というトコロです。






もちろん、HBを2シングルと解釈した場合、HSH配列のギターの場合5本のシングルがあるとも解釈できるので、ノイズ対策を万全にすることを前提に考えるのであれば、もっとフレキシブルな回路が考えられますが、余程の状態や時間的余裕のある人でないとその効果を存分に熟知することは不可能でしょうし、回路の編制変更があった場合に恐らく気の遠くなる改造が予想されるし、仮にポン付けできるパーツを開発したとしても、正直需要がありそうに無いですしw





ちなみに、キッチキチに並べることを前提にするならば、通常のスケールのギターなら12本のシングルコイルを搭載することが可能です。


その場合の全ての組み合わせは数十億通りの回路となります。


実際に同じ意味を成す部分を排除したとしても、数億通りの回路となり、現実的な楽器として存在したとしても、現実的に追求できる楽器とはなりにくいと思いますので、そのへんの追求は人生の大きなプランってことにしました。







とりあえず現段階では、自分の楽器に容易に搭載できて且つ省スペースな構成を考えています。




どうしてもスペース効率が悪いようなら、LED点灯で状態が把握出来るスタイルで16接点のロータリースイッチを考えても良いと思います。



電池が消耗してLEDが点灯しなくても使える、というのは大前提で、始点終点無しのロータリースイッチという格好で、最終的には考えたいと思います。






今日はそんなこんなでクリエイティブな1日でした。