音楽の深い話

「ミューズの恩寵にあずかる人間の営み」これがmusicの語源となった言葉の意味です。


勘違いの範囲で、音楽の『楽』という字は、『楽器』の楽の字であって、後から意味として『音楽を楽しむ』というコトになったっていう、いかにも日本人が好む方向性で解釈されちゃっています言葉ですが、私は、この『音楽』と『感情』は一心同体とは決して思っていません。


音楽は、どう頑張っても人間による表現の方法手段であって、音楽自体が何かを主張することは無いということです。


音楽+人間=芸術。


つまり、『音楽』と『音』は、全く同じものであると言えるのです。


しかし、不思議なのはここからで、音楽+人間という式から音楽を差し引いても、イコールで芸術にはなりうるっていうのが、これが凄いんですよ。


つまり、正確な式は『α+人間=芸術』ということです。


自然界のものを、自然の神秘と言ったりしますが、それは、人間故に感じられるからであって、自然界が故意に芸術的であるということはありえないのです。


要は、その『α』の要素は、人によってイコール以後を芸術とするか否かは変化するということです。


『芸術+人=感動』であるかどうかは、不確定っていうことです。


ただ、『芸術+人=感情』は、やはり正解です。


感情という言葉の意味は、喜怒哀楽を含む故に、神経的な反応は全て『感情』と言えるからで、肯定も否定も無関心も、感情だからです。


さて、音楽家にとって音楽は一体なんでしょうか?


多分、音楽とは、まさしくその言葉どおり、『楽器』でしかないのでしょう。


良い音楽家は、良い音楽を作るのではなく、音楽で良い芸術を作る人のことです。


私は、そうでありたい。