永らくイヤホンのケーブルを付属品で使ってきましたが、この度遂にリケーブルを交換しました。
オーディオの要素のうち、ケーブルの持つ効果はなかなか侮れません。
プラシーボ効果の面もありますが、今回は明確に変化を味わう事が出来ました。
私はイヤホンでの音楽鑑賞は今は携帯端末にてONKYOさんのHF Playerで行っております。
最近、過去に使用していたTORQUE G02を音楽鑑賞用端末として復活させましたが、それに併せてリケーブルを交換した訳です。
そもそもG02で音楽鑑賞をする理由は、端末にイヤホンジャックがあるからです。
あと、普段使いのG05にBluetoothレシーバによる接続だったため、結局のところ端末からレシーバ間の圧縮が影響して無線損失があるのと、レシーバの接続不安定が頻発するようになったため、そして、他の操作で音楽鑑賞が途切れるため、予てより予定していたG02での音楽鑑賞に切り替えたという流れです。
今までBluetoothレシーバ経由でG05での試聴でしたが、まぁここまで変化と言うか変貌するものかと思いました。
私が使ってるイヤホンのドライバは大変安いものでありながらも今まで体験していない領域のオーディオ体験が出来ていました。
今回導入したリケーブルで一番変化したのは、明確な立体感です。
私が考えるケーブルによるオーディオへの働きは、結局のところフィルタ効果であると思っています。
ローが高いならばミドルが吊られてハイ落ちし、ハイが高いならばミドルが散漫になりローが疎かになるでしょう。
もちろんそれだけじゃない色んなフィルタピークの重複でオーディオ信号は個性を持つのですが、このケーブルが持つものは、明らかな立体感、要は、それぞれの音楽的要素が適度に分離している点だと思いました。
G02で完全有線化して一番に感じたのは、やはり安心感かな。
Bluetoothで飛ばす音はやはり、少し削れてます。
私自身はハイレゾやロスレスに余り興味ないのですが、反面、電気的知識によってある懸念から、イヤホンの無線による音楽鑑賞には強い抵抗感があります。
何かって言いますと、これはもう電源的な話です。
イヤホンであれ何であれ、現代の音楽鑑賞には電気的電子的増幅回路が働いていて、その働きのために絶対に必要なのは、電源なのです。
エフェクターの自作に始まった私の電源への探求は、現時点では電流源の確立に落ち着いております。
いかにコンスタントに余裕のある電流源を得られるのか、これが即ち音楽鑑賞の本質であるという考え方です。
一番ピュアな電源として私が辿り着いたのは、鉛2次電池です。
圧倒的な電流量です。
携帯端末のバッテリー電圧はおよそDC3.8Vですが、携帯端末そのもののバッテリー容量は決して少なくないので、スタンドアローンの音楽プレイヤーとして使うなら許容出来る電源を持ってると言えます。
電圧の問題はベッドルームの面では残ります。。
音楽の音響的要素は、その殆どが中低域の質で決まります。
中低域の音楽信号の再生に欠かせないのは電源ですが、その次に影響するのは信号の経路です。
音楽信号は電圧の起伏で、これは+側の端子に送られますが、その信号の間違いない再生には-端子から送られる(という表現は間違いだけど)電流が働きます。
双方をコンスタントにやり取りするために必要なのは、信号を濁らせない経路、という訳です。
一般的に音楽信号の伝達には銅線が広く用いられていますが、銅線そのものにも種類があったり、銀線や銀メッキ、金メッキ線を使用したり、撚り線でもその撚り方や本数や太さなど様々で、単線を使用する事もあります。
それぞれの導体の信号伝達には個性があり、基本的にその質の良さは金額に比例しております。
理想ケーブルは無損失のものですが、これはありえません。
そこで、この損失について色々な素材を組み合わせて補間増強しようというイメージのケーブルが、ハイブリッドケーブルです。
今回私が購入したのはこのハイブリッドケーブル。
商品のページで記載されている文章は
『4芯銀箔糸と銅線を使用することで、低域はより深みを増し、 中高域は更なる解像感と全体の整ったバランスの向上を獲得します。』
となっており、まぁこのまま受け取れる内容の音響体験が可能です。
金額的には¥1,800-ぐらいのケーブルですが、費用対効果が滅茶苦茶高いです。
リケーブルの世界は恐らく沼です。
何故なら、ドライバと分離して交換出来るからです。
交換のために接点を1つ増やしても、この効果を取っ替え引っ替え出来るリケーブルは、拘るオーディオユーザーを惹き付けます。
そして、ケーブルがもし故障した場合、これを交換すれば良いため、ドライバを寿命まで使いきれますし、逆にケーブルとドライバを状況や好みで交換出来る訳で、これは本当に凄い仕組みだと思います。
1つ難点があるとすれば、リケーブルのコネクタ規格が多数あるため、どれでも大丈夫ではない事、インレット側も現在の様々な規格のものがあるため、互換性はまずまず無いとも言えます。
リケーブルのドライバ側のコネクタについては、正直どれが良いかわからないですが、インレット側は恐らく4.4mmバランスが優勝でしょう。
プレイヤーが対応しているのであれば、4.4mmバランスで受けるのがベストです。
無線オーディオの優位性は、私は殆ど感じないです。
イヤホンとケーブルの可能性を広げるこのシステムは、有線オーディオの優位性の幅を広げるものなので、私は今後もここに居たいなと思います。
以上。